気がつくと、手術室から元のICUに戻されていた。
嫁が来た。手を握ると、自分の手がとてつもなく冷たい事を知る。
程なく両親も来た。
そしてまた眠くなる…。
医師には今晩が山です。と言われたらしい。
このまま心臓が安定すれば私の勝ち。しなければ負け。
そんなこともつゆ知らず深く眠る。
もちろん勝ったのだから、こうしてここで駄文をのたくってるのだけど
今ここで生きているのも何かのはずみにも思える。
なんでも、詰った部分があと1センチ後ろなら確実に死んでいたみたいだし、
救急車を呼べるという状況もラッキーだったということだ。
後年朝起きたら隣のダンナは死んでいた…とか、
人知れず事務所で倒れていた…とか。
そんな話を身の回りでよく聞く。
多分彼らは自分はアンラッキーだと思うまもなく彼岸に渡られたと思う。
心筋梗塞に限らないのだろうが、人間の生き死にはほんの少しの条件で変わってくる。
だから、どうしろなどと言うことは、ないのだけど、
これはこれで事実だと身をもって知った。
